建てる前に知っておこう木のあれこれQ&A

木の家は建築費が高いのですか?
木の家を建てる時に、よく誤解されがちなのが建築費。木造住宅は贅沢で割高というイメージでとられがちですが、一般的な建物の場合、木材費は総工費の10~20%といわれています。国産材にしても価格は、以前に比べて下がってきていますので、高価な銘木や無節や色合いなどにこだわらなければ「木の家」が他の工法で建てる家より割高とはいえません。
木の家は住み心地がいいの?
木が持つさまざまな働きにより、快適な住み心地が得られます。湿度調節機能や優れた断熱性、木肌の美しさがやわらかな光沢と質感を生み出すことなどにより、人の心や体にやさしく働きかけて気分をリフレッシュさせます。又、木の家なら疲労も少なくてすみます。床や廊下を歩くとき、木の感触はやわらかく、衝撃を吸収する働きがあるためです。
木に触れると温かく感じるのは?
木は熱を伝えにくい性質を持っています。木材には細胞壁がつくる無数の隙間があり、その中に熱を伝えにくい空気がたくさん含まれているので熱伝導率が低く、手や足が触れた時、温かく感じられるのです。たとえば、床がコンクリートやビニールタイルなどの場合、熱伝導率が木より高いため、足裏の熱が奪われて冷えてしまいますが、木の床なら足裏の温度はそれらに比べて低下しません。
木は呼吸する、と聞きましたが?
木は伐採されたあとも空気中の水分を吸収・放出しながら、周囲の湿度が一定になるように調節する「調湿機能」を持っています。このため高温多湿の夏や、乾燥の激しい冬でも木の家は快適そのもの。まさに木の家は、気候変化の著しい日本の住まいとして適しているといえます。
木は腐ることもあると聞きましたが?
木材の弱点は腐朽すること。水分を多く含んだ木は、カビが発生しやすく、それが原因で腐り始めてしまいがちです。十分に乾燥している木材は、カビの抑制以外にも反りや割れなどが起りにくく、ふすまの立て付け不良や床鳴りなどの防止にもつながります。また、トラブルを未然に防ぐためには、湿度がたまりやすいお風呂や水回りなどの換気をこまめに行い、梅雨の除湿、冬の結露対策も忘れないように心がけることが大切です。
火災時、木の家は燃えやすい?
木といえば燃えやすいイメージを抱きがちですが、木造住宅は他の材質の家に比べても決して火事に弱いわけではありません。たとえば、鉄やアルミニウムは500~800度になると急速に強度が低下し曲がってしまいます。木材は燃えるスピードが1分間に約0.6ミリほどで、ゆっくりと燃えていきます。また厚みのある木材なら、中心部まで燃え尽きるのに時間がかかるため、建物の倒壊を防ぐことができるのです。
木の家はシックハウスにならない?
いま問題になっているのが、揮発性有機化合物が原因とされ深刻なアレルギー症状を引き起こすとされる、シックハウス症候群。住宅内のビニールクロスや、接着剤を多用した新建材から揮発するホルムアルデヒドなどをはじめとする有害物質が原因とされ、住宅の高気密性も一因と考えられています。有害な化学物質を出さない無垢の木材で建てる家は、まさに健康住宅そのものと言えます。
木の家は地震に耐えられるの?
家を建てるとき、気になるのが耐震性。阪神大震災で倒壊した建物の中には古い木造住宅も含まれていたため、「木造は地震に弱いのでは?」というイメージでとらえられがちなのです。でも実際は、木造の建物自体が地震に弱いわけではありません。「適切な耐力壁を配置する」「土台と柱を緊結する」「腐朽に強い木材を使用する」等の設計・施工をすることで地震に強い木の家を建てることはできるのです。

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